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ギョーザの街、宇都宮での営業を終え、この街の風俗事情を視察してみました。
私のみるところ、現在の風俗市場というのは東京より、東京近郊の地方都市のほうが、よほど活発に盛り上がっていますね。とくに東武宇都宮駅の東口方面は、ソープランドとピンサロがひしめき合い、通り全体にダークでエロい空気が充満しています。
客引きに耳打ちしてみないことには、確かなことはいえませんが、このピンサロの中に10000円から15000円で本番をさせてくれる本サロが潜んでいるらしいです。そうなくても通りの路肩には、頭が悪そうで、ヒマそうで、でも若くてかわいい女子たちが、しゃがみこみ、いろんな男たちから声をかけられています。
もしかして、この街は援交を含む、風俗なんでもありのオマンコ天国なのでしょうか?
私はこの街の雰囲気にすっかり気圧されてしまい、喫煙エリアに立ち寄って、煙草をくわえました。
そのときです。
喫煙エリアから2メートルほど離れた路上で、携帯電話のやり取りをしている女性の姿に気づきました。
電話のやりとりをする女性の声が、とぎれとぎれで私の耳にも届いてきます。
その内容から彼女がいま、どういう状況にいるのか、私にはわかりました。
彼女はおそらく「援交相手」か、それとも「不倫相手」と話しているのです。そして、きっとその相手から「ドタキャン」されてしまったのです。
彼女はいくらか顔を上気させて電話を切ると、ヒールを蹴って歩きだしました。
このときの私にいったいどうしてそんな勇気がわいてきたのか、自分でもよくわかりません。あるいはいつのまにかこの街の空気に飲まれ、気分が「オマンコ天国化」していたのかもしれません。
私はすかさず彼女を追って、声をかけました。
「お待たせしてすみません。さきほどアポ取りしました後藤です」
「はあ?」
彼女は眉根にしわを寄せ、怪訝そうに私を凝視しています。当然です。この日、私は誰ともアポ取りなんかしていないんですから。
それでも私は躊躇せずに、大芝居を続けました、
「いや、ハッピーメールで約束した女性を待っているんですが……」
「……」
「あれ、ミサオさんじゃありませんか?」
「違います。私、ミサオではありません」
「ああ、これはどうも、失礼しました」
「……」
彼女は苦笑を浮かべると、無言で踵を返しました。
「あの、すみません!」
「?」
「これからの予定ってどうなってます?」
「どうしてそんなこと訊くんです?」
「いや、どうやら私、アポ取りした彼女にすっぽかされてしまったようなんで、よかったら食事でもしませんか?」
「……」
彼女の顔に、さきほどとは違ったいくぶん親和的な笑みが浮かびました。
それから私たちは近くの高級中華で大皿料理を食べ、紹興酒を飲み、2時間後にはラブホテルで盛り上がっていました。
宇都宮って、本当に「オマンコ天国」なのかもしれません。
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